〈Moncler(モンクレール)〉は創業70周年を記念して、10年以上にわたり多くの人に愛されてきたカルトジャケット「Maya 70」のリニューアル版を発表。〈Moncler〉のアイコンであるキルティングダウンジャケットは、今日ではラグジュアリーなファッションステートメントとして多くの人に知られているが、その原点は機能性に根差していた。
ルーツはフランスアルプスに
〈Moncler〉は1952年、レネ・ラミヨンとアンドレ・ヴァンサンによってフランスで設立された。ブランド名は山間の村モネスティエ=ド=クレルモンに由来する。ラミヨンとヴァンサンは当初、ケープやキルティングの寝袋、テントなどのアウトドア製品を作っていた。ところが、工場で働く人たちが暖かく過ごせるようにとデザインされたジャケットが、フランスの有名な登山家リオネル・テレーの目に留まり、登山用として売り出されることになったのだ。「Extraordinary Forever」キャンペーンでは、このターニングポイントを、エベレストに次ぐ世界第2位の高さを誇る山、K2 の頂上に立つイタリア人スキーヤーや1968年のグルノーブル冬季オリンピックでのフランスのスキーチームをはじめ、数多くのイメージで不朽のものとして表現している。
パニナロたちに大ヒット
1980年代初頭「paninaro(パニナロ)」という現象が起こった。ミラノの若者たちがアメリカやイギリスのラグジュアリーファッションに傾倒するようになり、古典的な節約志向に反発したことで新しいシルエットが広まったのだ。そこで〈Moncler〉は、パリのデザイナー、シャンタル・トマスを起用してモダンなダウンジャケットのデザインを試み、機能性と現代的なファッション性の両方を兼ね備えたダウンジャケットのシリーズを生み出したのだった。
原点にして頂点 「MAYA ジャケット」
長年にわたって「Maya ジャケット」は話題を集めてきたが、2015年夏に公開された「Hotline Bling」のミュージックビデオでドレイクがチェリーレッド色を着用したことで、さらに注目の的となった。「Maya ジャケットについて思うとき、たくさんの感情が一度に押し寄せてくるんです」。モンクレールの CEO レモ・ルッフィーニは、2020年『フィナンシャル・タイムズ』の取材でこう語った。「モンクレールの歴史を語り、ブランドのイメージと精神を最も忠実に反映したシグネチャージャケットであり続けていて、まさに私のスタイルでもあります」。
2009年に発売された「Maya ジャケット」は、1998年に登場したバジルジップアップのデザインをベースに、ゴム入りの裾に取り外し可能なフード、スナップ式のチンガード、フロントジップなどの仕様をそのまま残している。左袖のポケットにあしらわれたロゴは、オリジナルの「Karakorum ジャケット」の正面にあったロゴをアレンジしたものだ。シルエットは、グースダウンを1cm単位で正確に詰め込んだブーディンキルティングを水平に縫い合わせた、以前よりもスリムなフォルムが特徴。「Maya ジャケット」ではブーディンの比率を従来の4:4から5:5とし、より柔軟にフィット感を調節できるようになっている。暖かさと柔軟性に加え、シグネチャーのナイロンラッカー素材を使用し、スタイリッシュな光沢のあるジャケットに。
「MAYA 70」の魅力
〈Moncler〉はマウンテンウェアの先駆者としての70年間を記念して、クラシックなブーダンキルティングの機能はそのままにオリジナルジャケットを再構築した「Maya 70」を発表。
新しいウォッシュドナイロンラックスラケ素材を使用した、滑らかで光沢のある軽めのスタイルで、自然の鮮やかな色彩や深いアースカラーにインスパイアされたユニークな13色展開。 技術的な面では、実用的な大きさのフードを採用し、より動きに余裕を持たせたシルエットにアップデート。ボクシーなフィット感やフロントジッパーに代わるスナップなどの超モダンなディテールで、スマートで合理的なフォルムを実現している。 さらに左袖のポケットには「Extraordinary Forever」の限定アニバーサリーロゴ、そしてフェルトのオリジナルロゴと70周年記念のマウンテンモチーフを組み合わせたインフィニティループがあしらわれている。
〈Moncler〉の限定ダウンジャケット「Maya 70」は、「スカイブルー」、「ベリーレッド」、「スノーフレークホワイト」、「ダイヤモンドブラック」の4色をHBXで販売中。